食材にされるツバメの巣とは?

日本では高級中華食材として知られているツバメの巣は、タイ、ベトナム、インドネシア、マレーシア、中国の海南島などのごく限られた地域に生息するアナツバメの巣です。中国語では燕窩(イエンウォ)または燕菜(イエンツァイ)、英語ではBird's Nest(バーズネスト)と呼ばれています。

アナツバメは、体長10cmから16cmほどのアマツバメ目アマツバメ科アナツバメ属の鳥の総称で、日本で見かけるスズメ目ツバメ科の鳥とは系統が異なります。また、ツバメ類は泥で巣を作りますが、海藻を食べるアナツバメは、オスが産卵期にだ液線から分泌される粘液で約1ケ月かけて巣を作ります。

長さ6.5cmから10cmほど、幅3cmから5cmほどの半月形に作られた巣は、乾くと硬くなります。採取されたツバメの巣は、水で戻しながら手作業でチリや羽などの不純物を丁寧に取り除いていく、たいへん手間のかかる工程を経て食用になります。

ツバメの巣の採取時期

ツバメの巣の採取は年に3回行われます。1回目は1月の終わりから2月の初めにかけて採取し、この時に作られた巣が、最も品質の良いものです。2回目の採取は3月中旬に行われ、その後、採取権者はツバメの巣をとらずに、4月に産卵させます。その後卵からかえったヒナが成長し、親たちと一緒に飛び立てるようになった7月に3回目の採集が行われます。「スコッチ」は、1、2回目に採取された上質の白いツバメの巣のみを使用しています。

3回に渡り採取した数は、その後のツバメの数に直接反映します。採取権者は自然保全を考えてその採取量を決定します。

ツバメの巣の採取

アナツバメが巣を作る所は、沿海の断崖絶壁や洞窟の奥深くの30mから50mの高所で、採取はまさに命がけです。灯をともしながら竹やツルをつないだ足場を命綱なしで登り、巣を採取します。世界でも貴重なツバメの巣の採取は、採取権のある限られた採取人だけに許されています。

「スコッチ」の原料となるツバメの巣は、タイ南部の島で採取されています。
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